こんにちは!「ぐっすりねむり隊」のリンコです。
安眠を追及して色々と調査を続けているぐっすり眠り隊ですが、最近は「睡眠と食」の関係についても注目しています。
そして今回フォーカスするのは「ハーブティー」。料理の香りづけとしてなじみ深いハーブですが、人の身体にもさまざまな効果をもたらすことから薬やアロマテラピーなどにも応用されていますよね。
そんなハーブについて深堀りするべく、今回は薬剤師であり一般社団法人日本ティーコンシェルジュ協会の御殿場校校長である林素真子先生にご監修いただき、安眠効果のあるハーブティーについて詳しく解説いたします。
【薬剤師監修】就寝前に心安らぐ一杯を。安眠に最適なハーブティーとは
1.睡眠とハーブティーの関係
メソポタミアやエジプトといった古代文明時代には、すでに薬として栽培、利用されていたとも言われるハーブ。医療が発達した現在までハーブが活用されていることからも、その高い効果が伺えます。
そして、薬用や民間療法として使用される植物を乾燥させたハーブから、効果の期待できる成分を引き出したのがハーブティーです。植物の種類によって効能はさまざまあり、なかには安眠効果が期待できるハーブティーも。リラックス効果の高いハーブティーは、睡眠の前に飲むのがおすすめです。
薬剤師監修のお茶「ハーブティー、日本茶、コーヒー、紅茶、中国茶」やオリジナルのハーブティーを販売しています。いきなティースタイル和漢ハーブ瀧鳳凰(たきほうおう)
1-1.安眠には就寝前の水分補給が欠かせない理由
人間は睡眠中にコップ1杯の汗をかくと言われていますが、1日の生活で摂取した水分が充分でない場合やアルコールを多く飲んだ場合、水分が不足した状態で眠りを迎えてしまうことがあります。すると睡眠中に脱水症状を起こしてしまい、途中で目が覚める、足がつる、熟睡感が得られないなどの不眠につながってしまうことも。
これを避けるために有効なのが、就寝前に水分を摂ることです。
身体をリラックスした状態にするには、冷たい飲み物よりも温かい飲み物がおすすめですが、コーヒーや紅茶など覚醒効果のあるカフェインが入ったものは要注意。カフェインの代謝は成人で4時間、子どもや年配者は7~8時間かかると言われているため、就寝前に飲むのは避けましょう。
1-2.就寝前には1杯のハーブティーを
就寝前におすすめの飲み物としてよく挙げられるのが、ホットミルクです。
牛乳には、睡眠物質「メラトニン」の原料である「セロトニン」を作るのに欠かせない「トリプトファン」という成分が入っています。そのため、眠る前にホットミルクを飲むと安眠効果が得られると言われています。
牛乳のカロリーが気になるという方は白湯に置き換えても良いですが、安眠効果も得たいという方にはハーブティーがおすすめです。 ハーブティーはカロリーも抑えられると同時に、身体を温めながら良い香りを嗅ぐことで高い安眠効果が期待できます。
2.自分に合った安眠ハーブティーの選び方
ハーブティーにはさまざまな種類があり、一種類のハーブから作られたものや複数のハーブをブレンドしたものもあります。
次に、安眠効果が得られるハーブティーの種類と選び方をご紹介します。
2-1.安眠効果が期待できるハーブティーの種類
同じ安眠効果が得られるハーブでも、不眠を解消するアプローチ方法はさまざま。安眠のために活用できるハーブは、次のようなものが挙げられます。
2-1-1.カモミール(植物のお医者様)
カモミールは古くから皮膚の炎症や鎮痛剤、心疾患などに利用されてきたハーブです。「アピゲニン」と呼ばれるフラボノイドが神経を鎮めてくれることから、眠りを誘うハーブとして扱われています。
2-1-2.ローズ(若返りのハーブ)
万人受けする香りから芳香剤としてもよく選ばれるローズも、安眠ハーブのひとつ。ローズの香り成分である「フェニルエチルアルコール」「シトロネロール」「ゲラニオール」には鎮静や抗不安作用があると言われています。
2-1-3.ラベンダー(ハーブの女王)
ラベンダーもまた、リラックスしたいときに有効なハーブとして有名です。その香りと可愛らしい花の姿からガーデニングにもよく用いられます。
ラベンダーに含まれる主な成分「酢酸リナリル」と「リナロール」には、どちらも鎮静作用があります。酢酸リナリルはリラックスを促し、リナロールが不安を和らげてくれると言われています。
2-1-4.マジョラム
マジョラムは古くから幸福のシンボルとされ、古代ギリシャ・ローマ時代には新婚夫婦にかぶせる冠に使用されていました。
繊細で甘い香りを持つマジョラムは料理にも用いられ、シチューやスープなどの煮込み料理のほか、オムレツや鶏肉料理などによく合います。マジョラムには鎮静、神経強壮、自律神経調整などの効果が期待できます。
2-1-5.セントジョーンズワート
別名セイヨウオトギリソウとも呼ばれる、黄色い花をつける植物です。
古くからヨーロッパの伝統医学で使用され、現代でもうつ病や更年期障害の症状、強迫性障害などの疾患に良いとされるほか、皮膚に塗布することで切り傷、打ち身、筋肉痛などの症状に用いられます。
セントジョーンズワート抽出物に含まれる「ヒペリシン」や「ヒペルフォリン」という成分が神経伝達物質のバランスを整えることから、安眠への効果があると言われています。 ただし飲み合わせが悪い薬もあるため、使用する際には専門家の指導が必要です。
2-1-6.緑茶
緑茶はカフェインを含むため睡眠前に摂取するのはNGと思われがちですが、淹れ方によっては安眠効果が期待できるのだとか。
80°C以下のお湯で淹れることでカテキンが抽出されにくくなり、旨味成分として知られる成分「テアニン」を強く感じることができます。そのため、カフェインの効果を相殺してリラックス状態に導いてくれます。
2-2.自分の不眠の原因に合わせて選ぶ安眠ハーブティー
このように、安眠に良いとされるハーブのなかでもその効能はそれぞれ違います。 そのため、就寝前のハーブティーは自分の不眠の原因に応じて選ぶことをおすすめします。
・イライラしているとき・・・ラベンダー、マジョラム、セージ
・疲れすぎなど、興奮状態にあるとき・・・ローズ、テアニン、レモンバーム、レモンバーベナ
・不安を感じるとき、落ち込んでいるとき・・・カモミール、オレンジピール、セントジョーンズワート
・食べすぎによる胃もたれ・・・レモングラス、ペパーミント
2-3.ハーブティーを選ぶ際のポイント
水分を補給する点で有効なハーブティーですが、なかには尿意のため夜中に起きてしまうのが心配という方も。 その場合は、精油成分に安眠効果のあるラベンダーやローズの香りを嗅ぐだけでも良いでしょう。
また、ハーブティーを選ぶ際には「美味しいと感じるかどうか」ということも大切なポイントです。
美味しいと感じるということは、自分が今必要としている栄養素を補給しているという身体からの声です。逆に美味しいと感じないときは、身体が欲していないということ。体調は日々変化するものなので、そのときの状態に合わせて使い分けることをおすすめします。
3.美味しいハーブティーの淹れ方
ハーブティーを美味しくいただき、そしてハーブが持つ効果を最大限引き出すには淹れ方にもこだわりたいところです。 ハーブティーは植物のどの部分を使っているかによって抽出時間が異なります。
葉っぱと花の場合は3分、実と根の場合は5分が目安。ローズヒップに関しては基本は5分ですが、7分おくと便秘解消などが期待できる水溶性ペクチン(食物繊維)が抽出されます。
お水はしばらく沸騰させた熱湯を使い、香りが逃げないように蓋をして蒸らします。抽出後は渋みや苦みが出ないようにハーブをお湯から出していただきましょう。
4.自分にぴったりの安眠ハーブティーを手に入れよう
おやすみ前用にブレンドされたハーブティーも市販されていますが、最もおすすめなのはオーダーメイドのハーブティーです。オーダーメイドハーブ調合をしてくれる専門店なら、カウンセリングを通してお悩みに応じた自分だけのハーブティーを作ってもらうことができます。
カウンセリングのなかで自分でも気付いていなかった不眠の原因が明らかになる場合もあるので、一度相談してみてはいかがでしょう。