こんにちは!「ぐっすりねむり隊」のれなです。
突然ですが、皆さんはご自分の睡眠に満足していますか?
段々と睡眠の重要性に対する関心が高まり、快眠の方法や快眠グッズなどが注目される近年。そのなかのひとつとして、睡眠をサポートするサプリメントを目にする機会が増えました。
しかし快眠サプリメントにもさまざまな種類があり、自分に合ったサプリメントを選ぶのは意外と難しいものです。
そこで今回は薬剤師であり、一般社団法人日本ティーコンシェルジュ協会の御殿場校校長である林素真子先生にご監修いただき、快眠のためのサプリメントについて詳しく解説いたします。
【薬剤師監修】快眠をサポートするサプリメントの選び方や使用する際の注意点とは
1.快眠サプリメントの有用性は?
前提として、一般的にサプリメントと呼ばれるものは栄養素を補助するための食品です。睡眠をサポートするサプリメントも同様であるため、医師に不眠症と診断された方への効果は期待できません。
眠れてはいるものの「もう少し熟睡感がほしい」「目覚めをすっきりさせたい」など、あくまでも睡眠の質を改善するための補助食品として使用することをおすすめします。
1-1.まずは自分の不眠のタイプや原因を考えてみよう
快眠サプリメントについて関心がある方は、何かしら睡眠に問題を抱えている場合が多いと思います。
そもそも不眠とは、寝つきが悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」という3つのタイプに分かれます。自分はそのうちのどれにあたり、どれほど深刻かということを知ることからはじめましょう。
また、不眠の原因についても人それぞれ異なり、ストレスや不安を抱えていて眠れない方もいれば、習慣や環境のせいで眠れない方も。
そのため、口コミが良いものや人から勧められたサプリメントが必ずしも自分に合うとは限りません。
自分の不眠のタイプや原因を考えたうえで、快眠を得るためにはどんなサプリメントが有効であり、どんな工夫が必要なのかということを考えてみましょう。
1-2.快眠を得るためには正しい使い方を知ることも大切
快眠サプリメントには睡眠の補助に役立つとされる成分が配合されていますが、飲めば自然と眠気が出てくるものではありません。 これは睡眠導入剤でも同じことが言えますが、眠る前の過ごし方次第ではせっかくの効果が台無しになってしまいます。
そのため、眠る前はパソコンやスマホなどの操作、激しい運動や明るい部屋で過ごすなど刺激になることは避け、薄暗い部屋でリラックスした状態で過ごすようにしましょう。
2.快眠サプリメントの選び方
自分の不眠のパターンや原因が分かったところで、自分にとってベストな快眠サプリメントを探してみましょう。注目したいのは、配合されている主成分です。
2-1.快眠サプリメントに配合されている成分
睡眠を補助する効果が期待できる成分は複数あり、その成分によって快眠へのアプローチが異なります。 快眠サポートサプリメントに配合されている代表的な成分として、次のようなものが挙げられます。
2-1-1.グリシン
非必須アミノ酸の一種。食品から摂取することもでき、特にエビやホタテなどの魚介類に多く含まれています。 味の素株式会社の研究によると、就寝前にグリシンを摂取することで寝つきが良くなり、ノンレム睡眠の中でも質の良い睡眠のカギとなる、「徐波睡眠」にすみやかに到達し、なおかつ徐波睡眠の時間も増えていることが明らかになりました。
また、睡眠のリズムが整うことで、夜中に目を覚ましてしまう「中途覚醒」や早朝に起きてしまう「早朝覚醒」が減少。朝までぐっすり眠ることで熟睡感を得られると言われています。
2-1-2.ラフマ葉由来成分
「ラフマ」とは、中国新疆ウイグル自治区のタリム盆地を原産地とするキョウチクトウ科の植物です。
フラボノイドやアミノ酸を豊富に含むラフマの葉は、古くからお茶として飲用されていました。 薬品の品質・安全・管理の基準を定めた中国の本『中華人民共和国薬典』の中では、ラフマの葉は「心を安定させる、不眠に使用する」と紹介されています。
ラフマ由来ヒペロシド及びイソクエルシトリンが作用し、ノンレム睡眠時間が増えることにより、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。
2-1-3.テアニン
テアニンとは、緑茶に多く含まれるアミノ酸のこと。いわゆる「旨み成分」とも言われ、二番茶よりも一番茶、一番茶でも初期の若い芽に多いことが分かっています。また、テアニンは日光に当たるとカテキンへと変化するため、被覆して栽培する玉露などのお茶に多く含まれています。
ある研究でテアニンを摂取したあとの脳波の変化を調べたところ、ヒトがリラックスした状態を示す「α波」が表れることが明らかに。このことから、テアニンにはリラックス効果が期待できると考えられています。
2-1-4.GABA(ギャバ)
GABAとは「gamma-aminobutylic acid」の頭文字をとった、たんぱく質を構成しないアミノ酸の一種のことを言います。脳機能を改善する効果や高めの血圧を改善する作用なども認められており、医薬品や食品にも活用されています。
また、GABAには神経の高ぶりを抑える働きを持ち、ストレスや運動時に高まる興奮状態を抑える効果も。 つまりGABAを多く摂ることで興奮状態を抑え、体が休まりやすいリラックス状態へと導いてくれることが期待できます。
2-2.自分に合った成分を選ぶ
以上のことを踏まえて、自分の不眠のタイプと照らし合わせたときに何が補ってくれる成分なのかを考えて判断することをおすすめします。
例えば、不安やストレスがあったり、疲れすぎて眠れない場合などは身体が興奮状態にあるので、気持ちを落ち着かせてくれるテアニンやGABAが配合されているものが良いでしょう。
また、眠りが浅く、熟睡感が得られていないという方は、グリシンやラフマ葉由来成分を試してみても良いですね。
3.快眠サプリメントを使う上での注意点
サプリメントとは、合成されたものあるいは植物から抽出した成分で作られたものです。そのため、抽出時に使用される物や錠剤に含まれる添加物が消化管にとって負担となる場合があります。
また「サプリメント=健康に良い」というイメージから、摂れば摂るほど健康になると勘違いされがちですが、同量のサプリメントを毎日飲み続けることで代謝が滞ってしまい、知らず知らずのうちに腎臓や肝臓に負担がかかっていることも。
人は自分の身体が欲している栄養素が含まれるものは美味しいと感じるものですが、水で流し込む錠剤のサプリメントは本当に自分の身体に足りていないかどうかを判断するのは難しいところです。
睡眠を補助するサプリメントを常用する場合は「飲んでおけば安心」という考えでなく、自分の身体の声に耳を傾けながら使用するようにしましょう。
4.睡眠を「習慣」にするために
満足な睡眠が取れているかどうかということは、身体はもちろん心の健康にも直結しています。
快眠サプリメントを含め、
・夜9時以降の食事を控える
・休日も規則正しい生活をする
・睡眠の約1.5時間から3時間前に38℃程度のお風呂にゆっくり浸かる
・就寝前に温かい飲み物を飲む
・寝る前はスマホやテレビを見ない
・身体に合った寝具を使用する
など、睡眠に良いとされているさまざまな工夫をして眠りの習慣を築くことが大切です。
もしそれでも不眠が解消されない場合は、きちんと医療機関を受診することも選択肢のひとつです。
不眠の原因や度合いはひとりひとり違うもの。しっかりと自分の眠りの習慣と向き合い、良質な睡眠を手に入れましょう。