こんにちは!「ぐっすりねむり隊」のリンコです。
ストレスや身体の痛みなど、睡眠を妨げる要因は多々ありますが、皆さんは空腹感のせいでうまく寝付けなかった経験はありませんか?
お腹が空いていたとしても夜食を摂ることに抵抗があり、そのままベッドに入って無理やり眠ろうとする方も多いと思います。しかし一度感じた空腹感はお腹が満たされるまで消えることはなく、空腹によるイライラにもつながり、結果として睡眠不足や睡眠の質の低下につながってしまうことも。
そこで今回は空腹で眠れないときの対処法や、睡眠前に夜食を摂る場合の注意点などをご紹介しましょう。
空腹で眠れないときの上手な夜食の摂り方とは
1.「夜食は身体に悪い」と言われる理由
夕食を食べる時間が早すぎたり、逆に忙しくて夕食を食べ損ねるなど、夕食のタイミングがずれてしまうことは往々にしてあると思います。とはいえ、夜食は健康に悪いからと控えている人も多いのでは?
まずは、夜食が身体に悪いと言われている理由を探ってみましょう。
1-1.寝る直前の夜食が睡眠にもたらす影響とは
人の臓器は常に働いており、覚醒時と比べると筋肉の収縮と胃の運動がゆっくりになるものの、睡眠時でも消化器官は働き続けています。
そのため、寝る直前に消化に時間がかかる夜食を摂ると、身体は消化や吸収の活動のために消耗し、睡眠の本来の目的である「脳や身体を休めること」に集中できなくなってしまいます。
すると必然的に睡眠の質が下がり、例え睡眠時間を充分に取っていたとしてもなんだか疲れが残っている状態を招いてしまうのです。
1-2.重い夜食は体重増加や悪心などのリスクも
特に体重管理に気を付けている方は、朝はしっかり食べて夕食は軽めに済ませることを心掛けていると思います。
実際、夜遅い時間に食事を摂ると摂取したカロリーが消費されにくく、余分なエネルギーは体脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。
また、ただでさえ胃の活動がペースダウンしている夜に、胃の消化を遅らせる脂肪などが多く含まれる食事を摂ってしまうと、膨張感や胃もたれ、最悪の場合は逆流性食道炎といった不調を招いてしまうことも……。
1-3.食事は睡眠の約3時間前に済ませるのが理想
一般的に、食事をしてから食べ物が消化されるまでの時間は3時間~5時間ほどかかると言われています。
そのため、夕食の消化が済んだ3時間くらいあとに眠りにつけば、脳や身体を充分に休めることができるでしょう。
反対に、夕食から布団に入るまでに5時間以上経過してしまうと、空腹による不眠を招いてしまいます。特にダイエット中の方は、早い時間に夕食を済ませることも多いとは思いますが、その場合は布団に入る時間も早めるよう意識することをおすすめします。
2.質の良い睡眠のために、夜食に「避けたい食べ物」と「摂りたい食べ物」
睡眠3時間前に食事を摂るのが良いことは分かっていても、忙しい現代人はそうもいかない場合が多々あるでしょう。
そんなときは、夜食に避けるべき食事や食材をおさえておくだけでも、身体や睡眠への影響は随分と軽減されます。
反対に、眠る前に摂ることで身体に良い影響をもたらすと言われている栄養素もあるため、ぜひチェックしておきましょう。
2-1.夜食に避けたい食材
今までご紹介してきた通り、夜食には「消化に悪いもの」は大敵です。繊維質が多いものや硬いもの、脂質が多く含まれる肉類などは、消化に時間がかかると言われているため避けましょう。
また、普段はお腹の健康に良いとされる、きのこや海草類、ごぼうやれんこんといった根菜類のような、食物繊維の豊富な食品は夜食には適していないため注意が必要です。
また飲料についても、覚醒作用のあるカフェインが入ったコーヒーやお茶類、エナジードリンクなども避けたいところ。
「寝酒」という言葉があるように、アルコールは一見睡眠に良さそうなイメージがありますが、アルコールの摂取にも注意が必要です。
適度な量のアルコールは入眠を助けますが、アルコールが代謝されて「アセトアルデヒド」になるときに覚醒作用をもたらすため、途中で目が覚めやすくなってしまいます。
アルコールへの耐性は人それぞれですが、お酒を飲む場合は晩酌は日本酒1合、ビール(500mL)1缶、ワインはグラス2杯までを目安に。
2-2.夜食に摂りたい食材
どんな食材であっても眠る前に口にするのは良くないというイメージがありますが、近年ではそれを覆す説も出てきています。
2-2-1.タンパク質が豊富な食材
2018年「British Journal of Nutrition」誌に掲載されたフロリダ州立大学栄養・食品・運動科学科の准教授マイケル・オームズビー博士の研究によると、寝る約30分前に30グラムのタンパク質を食べた人は代謝が促進され、翌朝の空腹感が和らいだことが判明したと報告されています。博士は、カッテージチーズのようなタンパク質が豊富な食べ物を、150キロカロリー程度に抑えて摂取することを推奨しています。
また、ボディメイクに励む方たちのなかでも「睡眠30分~1時間前のプロテインが筋肉を育てる」というのがもはや常識です。
成長ホルモンが活発に機能しているときにタンパク質を補うと、タンパク質の吸収が高まります。そのため、成長ホルモンが分泌されるピークである就寝後30分~3時間後に間に合うよう、就寝する時間から逆算してその30分~1時間前にプロテインを飲むのが効果的だと言われています。
2-2-2.不眠を改善する「グリシン」が含まれる食材
グリシンとは、体内で合成することができる非必須アミノ酸のひとつ。グリシンは脳の体内時計に作用し、睡眠のリズムを調整すると考えられています。
睡眠に問題を抱える人が就寝30分前に3グラムのグリシンを摂取したところ、朝の目覚めと日中の作業効率が向上したという研究結果も。グリシンは牛すじ肉や鳥軟骨のほか、エビ・ホタテ・イカ・カニ・カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。
3.空腹で眠れないときの対処法
寝る前にちょっとした夜食を摂ることは、その後の心地良い眠りにつながることもあります。これは食欲が満たされることによって空腹感が解消されることだけでなく、食欲が満たされることによって不安や悩みといったストレスも解消されることも要因のひとつでしょう。
3-1.消化に良い食べ物を少量食べる
空腹でどうしても眠れそうにないときは、カロリーと消化に配慮した夜食を摂ることをおすすめします。例えば消化に良い雑炊やうどん、硬質なフレッシュチーズなどを少量食べることで満足感が得られれば、入眠がスムーズになるでしょう。
3-2.水分を摂る
それでも夜食に抵抗がある場合は、代わりに水分を摂ることもおすすめです。
ただの水でも、空っぽの胃に入れば空腹感を抑えることが可能です。たとえ空腹時でなくとも、就寝前のコップ1杯の水は血流を良くし、睡眠の質を高めると言われています。
また、眠れないときにホットミルクを飲む方も多いでしょう。
実際に、牛乳に含まれる「トリプトファン」には、体内でメラトニンとして睡眠を促してくれる作用があります。さらに脳内では睡眠導入効果、鎮痛作用、抗うつ剤、神経伝達物質セロトニン原料といった役割を担っているため、心と身体を安定させるために良い食材と言えます。
4.安眠のための夜食は「何を食べるか」が大切
眠る前に重い夜食を暴飲暴食してしまうと健康や睡眠に悪影響を及ぼしてしまいます。しかし、消化とカロリーに配慮した夜食を摂れば、空腹による不眠を防げることが分かりました。
健康と美容のためには、毎日しっかりと睡眠をとることが大切。お腹が減りすぎて眠れないときは参考にしてくださいね。